【読書】夜を乗り越える
こんばんは(^^)手帳ソムリエのにししです。
今日は又吉直樹さんの著書『夜を乗り越える』の感想を書きたいと思います。
何冊もの純文学がこの一冊に詰まっている!
読んですぐ感じたのがこの一言でした。
又吉さんの今までの読書がこの本に全て書かれていました。
太宰治・芥川龍之介・夏目漱石・三島由紀夫などなど、今なお愛され続ける作家さんの話が又吉さんのエピソードと共に画かれていました。
何年ぶりでしょうか。
寝る間を惜しんで本を読んだのは。
気付いたらこの本を読んでいました。
それこそ、貪るように読みました。
明日もし死ぬとしてこの本を読んでいなければ絶対に後悔する!!と本気で思いました。
誰にも読めとは言われていません。
でも、読まなければいけないと感じました。この本を読むことがわたしの使命のように感じたのです。
空いている時間のすべてをこの本に捧げました。
周りの雑音が、流れ行く時間が本気で煩わしいと感じました。もしこの本を奪われたら人を殺めてしまいそうな気がしました。
いえ、本当に。
二十五歳で死ぬと思っていた
この一文から又吉さんがノストラダムスの予言を本気で信じていたという話になりました。
「ノストラダムスの大予言のせいで人生を短く設定するクセがついた」と又吉さんは言っています。
本当に二十五歳で死ぬかどうかは別として、このクセは人生の本質を突いていると思うのです。
もしわたしが二十五歳で死ぬとしたら、今なにをすべきだろうか。
何をすれば二十五歳で死んでも後悔しないだろうか。
そう考えながら読んでいました。
この本を読めただけでもわたしの後悔は一つ少なくなりました。笑
人生観を変える出会い
本を読んで人生が変わった。というと、なにを大層なことを言っているなと思われるかもしれませんが、実際にそういうことがあるのです。
悩んで、苦しんで、もうどうしようもない時に出会う本って実は人生において読むべき本だったりします。
自分の人生観を大きく変える本があります。
大学4年生のとき、武田彩乃さんの『今日君と息をする』という本を読みました。
武田彩乃さんは現在では『響けユーフォニアム』の作者としてお馴染みですが、彼女の処女作はあまり知られてはいませんでした。
本屋を何箇所も周り、ようやく見つけたこの一冊。
わたしはこの本を通じて物事を諦めないということを学びました。
自分の好きなことを信じて諦めなかった彼女は作家になりました。
昔からずっと何かを書いていたそうです。
周りから変なやつだと言われても、彼女はきっと何かを信じてずっと文字を書き続けたのだと思います。
その結果が『今日君と息をする』であり、日本ラブストーリー大賞という結果だったのではないでしょうか。
いつかお会いしてみたいです。
なぜ本を読むのか?
なぜ本を読むのか、その問いに対する答えは人それぞれだと思います。
ある人は「問いを見つけるため」だと言い、ある人は「人生の予習をするため」だと言います。
そんな色々な答えがある中で、又吉さんは「自分の感覚の確認」だと言われています。
人間は本当に同じ悩みを繰り返しているんだと思います。
又吉さんは自分の苦悩と『人間失格』を同じだと感じました。
おもしろくもないのに笑っている少年であり、自分を道化師だと感じていた太宰治に自分を重ねたそうです。
自分がいまどんな感覚なのか分からないってすごく怖いと思います。
自分がなにに悩み、怯えているのか分からない。
例えるなら、暗闇の中で大きな何かが自分をずっと見つめているような感覚です。
その大きな何かは自分を襲ってくるかもしれませんし、突然叫び出すかもしれません。
その大きな何かの正体さえ分かってしまえばさして怖くはないのでしょうが、やはり正体が分からないのはとても恐ろしいです。
でも、もし似たような感覚が文章で画かれていたら?
暗闇の中の大きな何かに出会った人物がいたとしたら?
それって自分にとって、大きな救いになるのではないでしょうか。
本にはそんな救いがたくさんあると思います。
だから本を読むのだと思います。
本はやっぱりおもしろい
本っておもしろいです。
ドキドキしたり、ハラハラしたり、時には何か無性に悲しくなったり。
たくさんの感情が本には散りばめられています。
本好きが昂じて本を書くことができた又吉さん。
一度は本を書こうとして、挫折されたそうです。
でも今は立派な作家さんですよね。
昔できなかったことが今は仕事になっている(又吉さんが仕事だと思っているかは別として)、それって素敵なことだと思います。
挫折はしても、あきらめなかったんだなと思います。
あきらめると挫折って似てますけど、少しニュアンスが違うと思うんですよね。
挫折ってできなかっただけであって、またいつかやりたいとどこかで思っていると思うんです。
もうやりたくない、とはならなかったから今こうして立派な作家さんとして活動されている。
とても素敵だと思います。
自分もこうなりたいと心から思います。
一冊の本でここまで感じることがあるとは思いませんでした。
いや、何度か感じたことはあるのかもしれませんが忘れていたのかもしれません。
本ってすごいな、って感覚を思い出させてくれた又吉さんに感謝です。
書きたいことが多すぎて、何が言いたいのか自分でも分からなくなってきました。
でも、この本を読んでください。
たくさんのことを思い出させてくれますし、頑張ろうって思えます。
そんな素敵な本です。
これだけ伝えられればいいかなと思います。
長くなりましたが、又吉直樹さんの『夜を乗り越える』オススメです。
0コメント